シェフが作ったレシピ本で、料理を楽しく学ぼう!〜あひるシェフとゆる深トーク vol.4〜

シェフが作ったレシピ本で、料理を楽しく学ぼう!〜あひるシェフとゆる深トーク vol.4〜

Green Rhythm代表のコジマが食と農をテーマにゲストと語り合うコーナー。今回は友人のシェフ・亜妃琉まことさんと、調理の基礎や、上達の秘訣について考えます。
そうこうしているうちに飛び出したのは、あひるシェフの意外な過去!?
ゆるく深く、料理の真髄に迫るかもしれないトークが始まります。

自費出版でレシピ本を作った想い

コジマ:あひるシェフとは、これまで3回の「ゆる深トーク」で、フードロスや食育について語り合いました。トークを通して、調理の技術や教養を身につけることの大切さが見えてきたと思っています。

あひるシェフ:そうですね。フードロスの話をしたときにも言った通り、僕は「料理の“理”は理屈の“理”」だと考えています。料理に心を込めるのはもちろん大事ですが、そのためには調理技術や教養がいりますよね。 調理技術とは「科学」なので、時代が進んで新しい食材やツールが登場しても、根っこは変わらないんです。だから、調理技術をきちんと身につけておけば、その先の理解が早くなりますよ。

コジマ:私も、人に喜んでもらえる料理を作るために、調理の技術をしっかり勉強したいなと思いました。そこで思い出したんですが、あひるシェフはレシピ本を自費出版していましたよね。

あひるシェフ:「for YOU Kitchen 〜今日はだれとゴハンしよう?〜」という本ですね。発行したのが2013年11月なので、7年前の話になります。今から考えてみると「若気の至り」だったなと(笑)
でも、自分にとってこのレシピ本は、「生みの苦しみを教えてくれた、ブサイクだけど最高にかわいい我が子」なんです。本を1冊作るのはすごく大変なことでしたが、最後まで投げ出さずに作った人にしかわからないことが、たくさんあったと思いますよ。

あひるシェフのレシピ本

あひるシェフのレシピ本は、トレードマークの「あひる」が目印。フルカラー144ページの力作です。


コジマ:どうして、レシピ本を作ろうと思ったんですか?

あひるシェフ:20歳のころから「本を作ってみたい」という気持ちがあって。本が好きだったので、読む側ではなく作る側になりたかったんですね。何でもいいから形にしたいと思って、飲食の仕事を辞めて片っ端から出版社に就活を始めたんですが、全く受かりませんでした(笑)

コジマ:そんなことがあったんですね!ずっと飲食ひとすじだったのかと思ってました。

あひるシェフ:いろいろあって、また飲食店で働くようになり、自分はやっぱりこの仕事が好きなんだと気がつきました。だから、料理の本を作ろうと思ったんです。せっかくなら「誰も見たことのないようなレシピ本」にしようと。
そして、協力してくれるデザイナーさんと出会って、本格的に企画が動き出したんです。

コジマ:本ができるまでに数々のドラマがあったんですね。
(さらに詳しく知りたい方は、ぜひ横濱ワイナリーで、あひるシェフに直接聞いてみてください!)

どんなレシピ本なの?気になる内容をチラ見せ!

コジマ:レシピ本を開くと、まずはじめに調理の基礎(調理用語、野菜の切り方、調味料、調理器具など)が載っていますよね。

調理用語を解説してくれるページ

知っているようで知らない調理用語を解説してくれるページ。


あひるシェフ:「料理の“理”は理屈の“理”」の具体的な内容について、この部分にギュッと詰め込んでいます。一般的な料理の本って、レシピが載っている本には基礎がほとんど載っていないし、基礎が書いてある本にはあまりレシピがないことが多いんです。だから自分の本では、基礎から応用まで1冊で網羅できるようにしました。

コジマ:すごく丁寧でわかりやすくて、初心者の私には本当にありがたいです。困ったことがあれば、最初のページを見ればいいんだとわかりますから。
レシピが「for COUPLE」「for Family」など、シチュエーションごとに分かれているのも良いですね。私は「for COUPLE」のコーナーがすごく好きです!ページをめくるたびにタイプの違う女の子が登場するのが、少女マンガみたいでかわいいです。こういうレシピ本って他にないですよね。

あひるシェフとデザイナーさん渾身の「for COUPLE」

あひるシェフとデザイナーさん渾身の「for COUPLE」。見ているだけで楽しい華やかなページ。


あひるシェフ:「for COUPLE」のコーナーは、「彼女が彼氏に作ってあげたくなる料理」というコンセプトで作っています。料理を作ってあげるときに一品だけということはないだろうから、セットメニューにしました。実は、キャラクターひとりひとりに名前もあるし、設定も決めてあるんですよ。

コジマ:細部までこだわりがあるんですね。こういうレシピなら、自分でも楽しみながら作れそうだなという気になります!

料理の上達のために大切な「食の因数分解」とは?

コジマ:ちょっと話が戻りますが、調理の基礎について、もう少し掘り下げたいと思います。あひるシェフのレシピ本では「基本のテクニックと豆知識」のところで、「レシピを鵜呑みにしない」と書いてあることにびっくりしました。

あひるシェフ:レシピ本にそんなこと書いてあったら、えっ?と思いますよね。本にも書いた通り、食材の状態、器具や機材、その日の気温や湿度など、料理の中にはいくつもの条件があります。レシピと同じように作ったって、全く同じものはできないんですよ。

コジマ:わかります。何年か前、お菓子作りに熱中していたことがあったんですが、オーブンの余熱とか焼き時間って、レシピ通りに設定してもうまくいかないことが多いですよね。あれこれ試しながら、自分の家のオーブンでちょうどいい具合に焼ける時間をメモしてレシピ本に貼り付けてました。

あひるシェフ:そういうことです。レシピ通りに作ることが絶対ではなくて、じゃあどうすればいいかというと、「構成要素を理解する」ことが大切なんです。僕はこれを「食の因数分解」と呼んでいます。

コジマ:おお!「因数分解」という言葉を、数学の授業以外で聞く日が来るとは。「食の因数分解」をするためには、どういうことを意識するといいんでしょうか?

あひるシェフ:食べるときに、「どの材料を組み合わせると、こういう味になるんだろう?」という意識を持っておくと良いですよ。
材料が同じでも、違う調味料を使えばもちろん違うものができます。例えば卵、鶏肉、タマネギを使うとしたら、めんつゆで味付けすれば和食の親子丼になるし、ケチャップなら洋食のオムライスになるし、ウェイパーなら中華のチャーハンになりますよね。

コジマ:なるほど!そう考えると、わかりやすいです。

あひるシェフ:材料を見て完成形をイメージできるようになると、ぐっと料理がやりやすくなると思います。そのためには、完成形をたくさん知っておく必要がありますね。

コジマ:ありがとうございます!今回、あひるシェフと話していて思ったのは、料理をする上でやっぱり大事なのは「自分でちゃんと考えること」なのかなと。なんとなくレシピを見てそのまま作ればいいや、なんとなく食べておいしければいいや、では上達に結びつかないんですね。

あひるシェフ:その通りです。今回は「食の因数分解」の話をしたので、次回は、因数分解した先に何があるのか・・・?という、応用編の話をしましょう!

コジマ:楽しみです!次回もよろしくお願いします。

〜つづく〜


今回ご紹介しているレシピ本はこちら。
【for YOU Kitchen 〜今日はだれとゴハンしよう?〜】
著 亜妃琉まこと
製作 Atelier More
初版発行 2013年11月20日
※レシピ本の著作権は、亜妃琉まことさんにあります。画像や本文の無断転載はご遠慮ください。

あひるシェフのお料理

あひるシェフのお料理を、横濱ワイナリーのワインとともに。手前の唐揚げの味付けは、レシピ本に載っているローストチキンのもの。構成要素を理解しているからこそ、同じ味付けで調理法を変えるというアレンジができるんですね。(2019年5月撮影)


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