Green Rhythm代表のコジマが、友人の亜妃琉まことシェフと語り合う「あひるシェフとゆる深トーク」のコーナー。「外食」をテーマにした7回目のトークについて、DVDなどの特典としてよくある「オーディオコメンタリー」になぞらえた番外編をお送りします。
本編では書ききれなかった、ディープなエンタメトークをのぞいてみませんか?
エンタメ万歳!
コジマ:あひるシェフは料理人と映画監督を重ねて見ているというお話がありましたが、影響を受けた映画監督はいますか?
あひるシェフ:紀里谷和明さんです。「CASSHERN」(2004年)、「GOEMON」(2009年)などの監督を務めた方ですね。
この方は、「なぜこの映画を作るのか」を深掘りして考えていくんです。「なぜ?なぜ?」と突き詰めていって、それ以上は掘り下げられないところにあるのが本音だと。
紀里谷さんの著書「地平線を追いかけて満員電車を降りてみた」(文響社)では、「お金持ちになりたい」と言う男性に対して、「なぜお金持ちになりたいのか」と問いかけることで、本当の望みが明らかになっていく様子が描かれています。
コジマ:おもしろそうですね!
あひるシェフ:僕も自分に対して、いつも「なぜ?」と問いかけることを忘れないようにしています。自分の考えを細分化していかなければ、本当に届けたいものは見えてこないと思っているので。
コジマ:わかる気がします。「自分自身への問い」は、どんな仕事をするときにも、きっと必要ですよね。
舞台(演劇)の話題もありましたけど、劇場へ見に行ったりしていたんですか?
あひるシェフ:友人が演劇関連の仕事をしているので、年に2,3回見に行っていた時期もありました。演劇は舞台という限られた空間の中で表現するから、映画よりも制約が厳しいんです。でも、プロジェクションマッピングで実物の舞台よりも広く見せるとか、アイデアで制約をおもしろさに変えられるのが良いところですね。
コジマ:たしかに、プロジェクションマッピングが登場してから、表現の幅がすごく広がったと思います。
あひるシェフ:レストランでもプロジェクションマッピングを使っているところがありますよ。
コジマ:それは気になります!新たな技術が生まれると、料理の世界の幅もどんどん広がっていくんですね。
技術の進歩といえば、ゲームは特に飛躍的なんじゃないでしょうか?
あひるシェフ:そうですね。ゲーム機の性能があまり良くなかった頃は、制約の中でいかに楽しめるゲームを作るかという点に知恵を絞っていたと思います。そのおかげで生まれた名作もたくさんありました。
今のゲームは、後から問題点を修正したり、コンテンツを追加したりできるようになったので、より現実に近付いてきましたね。
コジマ:「ゲームが現実に近付く」というのは?
あひるシェフ:完成品として世に出したゲームが、そこからさらに進化するようになったということです。
料理には昔からそういう食べ方がありました。例えば、「ひつまぶし」って知っていますか?
コジマ:おひつに入ったご飯の上に、小さく切ったうなぎの蒲焼がのっている料理ですね。名古屋で食べたことがあります。
あひるシェフ:ひつまぶしは、お客様自身でカスタマイズできる料理の代表だと思います。薬味をかけて食べるも良し、だしをかけてお茶漬けにするも良しですが、何もかけずに「うな丼」として完食する人もいますよね(笑)
そこには、出てきた料理をどう食べるか、お客様の判断で行動するというインタラクティビティ(相互作用)が含まれています。ゲームのダウンロードコンテンツも同じようなものだと、僕は思っているんです。
コジマ:出来上がった状態のものに、受け取った側の考えで手を加えられるので、さらなる発見や驚きが生まれるんですね。
あひるシェフ:他にも、ゲーム業界ではタイトルや企業の壁を超えたコラボレーションが活発ですが、料理でも似たようなことをやっている人は多いです。最近見たものだと、「カップ麺の天ぷらそば」と「牛丼屋の牛丼」、それぞれの具を交換して「肉そば」と「天丼」にするアイデアは秀逸だと思いました。
コジマ:カップ麺と牛丼の企業間コラボですか!企業がやるのではなく、食べる人のアイデアによって生み出されるというのがおもしろいです。
あひるシェフ:その通りです。一人一人が「こうするともっとおいしくなるだろう」と頭をひねって、それを実践しているわけですから、以前にお話しした「食の因数分解」を自然とやっているんだと認識しています。
コジマ:自分で料理するとき以外にも「食の因数分解」が使えるとわかって、いろいろ試してみたくなりました。
今回は映画、演劇、ゲームそれぞれのおもしろさから、料理のカスタマイズまで、多様なお話を聞けて良かったです!あひるシェフはエンタメにもかなり詳しいですよね。たくさんの作品を知っているし、個々の作品に対する考察が深くて。「なぜ好きなのか」、「なぜおもしろいのか」ということまで考えているのがすごいと思います。
あひるシェフ:僕は料理人として、自分が作りたいものをどうやって演出していくかを考える上で、料理のことだけ知っていればいいわけではないと思っています。だから積極的にエンタメに触れるし、流行にもある程度は敏感になろうとしています。
コジマ:絶えず努力して、あひるシェフ自身も進化を続けているんですね。
今回もありがとうございました。またエンタメの話もしましょう!
あひるシェフと話してみたい!と思った方は、こちらのお店へ。
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