EdiblePark茅ヶ崎の代表が語る!「”農”のある暮らし」の可能性と、100年先の世界に届けたいもの

EdiblePark茅ヶ崎の代表が語る!「”農”のある暮らし」の可能性と、100年先の世界に届けたいもの

Green Rhythm代表のコジマが参加している会員制コミュニティ農園「EdiblePark茅ヶ崎」は、「一般社団法人EdiblePark湘南」が運営しています。
法人代表を務めるのは、神奈川県藤沢市で12代続く地主の家系の若き後継者、石井光さん(以下、光さん)。
2021年7月23日に、光さんがゲストスピーカーとして登壇するオンラインイベントが開催されました。今回は、そのイベントレポートをお送りします。

EdiblePark茅ヶ崎での光さん

EdiblePark茅ヶ崎での光さん。ニンジンと同じポーズ!?(2021年6月撮影)

オンラインイベントを主催する「GOKIGEN Nippon」とは?

今回のイベントは『地域人100人と、100年先も凛としてたくましくゴキゲンな日本の暮らしを語ろう  ~vol.6 郊外の「まち」をしあわせにする、これからの地主の役割とは?~』というタイトルで開催されました。
主催してくださったのは「GOKIGEN Nippon」さんという有志のプロジェクト。EdiblePark茅ヶ崎のメンバー、矢野雅大さんが参加しているご縁から、今回の企画が実現しました。
GOKIGEN Nipponの代表である北原太志郎さん(以下、だいしろーさん)は、長野県松川町の地主の家系に生まれたとのことで、光さんとの共通点もあります。

光さんは、EdiblePark茅ヶ崎のことも踏まえながら、地主として考えていることや将来のビジョンをたっぷり語ってくださいました。

「そこに暮らすことでまわりを豊かに」

EdiblePark茅ヶ崎の特徴について、光さんが挙げた中からピックアップしてご紹介します。

野菜づくりだけでなく、「農的なこと」全般を経験できる

「農的なこと」とは、例えばニワトリのお世話、火を使って安全に煮炊きをすること、木や竹を使った工作など。昔の農民なら誰もが自分の力でやっていたことです。現代では「お金で買うもの」に置き換わってしまいましたが、あらためて「お金に頼らずにできること」を増やしていくと、小さな安心感につながります。

教わるのではなく、自分たちで調べながら野菜を育てる

現在のEdiblePark茅ヶ崎には、指導者という立場の人はいません。自分たちで調べて、考えて、あれこれ試しているので、失敗できる余白があります。うまくいけば嬉しいし、うまくいかないときは、なぜそうなったのかを全員で考えて次へ進むことができます。

各自ができること、得意なこと、好きなことを持ち寄れる

メンバーにはいろいろな人がいます。自家採種に興味がある人、ニワトリが好きな人、土づくりを極めたい人。お互いの良いところを活かし合っていける関係性で、無理なく活動を続けられます。

EdiblePark茅ヶ崎で飼っているニワトリ

EdiblePark茅ヶ崎で飼っているニワトリ。普段はチキントラクターという移動式鶏舎の中にいますが、ときどき外に出してあげることも。(2021年2月撮影)

次に、「しあわせなまちとは?」というテーマについて、地主の目線で話してくださいました。
光さんが考える「しあわせなまち」は、「人と人」、「人と自然」、「人と社会」のつながりがあるコミュニティです。どこか遠くの場所からモノを取ってこなくても、自分たちの地域の自然と寄り添えば、小さな循環を作って生きていけるのではないかと光さんは言います。

お金だけに頼らず、仲間と協力し、自分たちの知恵や技術で生活を維持していく「”農”のある暮らし」。そこには、暮らすことで地域を豊かにできるような暮らし方のヒントがあるのではないでしょうか。

良いことばかりではなくても「ともに生きる」

「今後取り組みたいことはありますか?」という問いに対して、光さんは「社会の1,2歩先をいく『ちょっと良い暮らし』を示したい」と答えました。

光さんが言う「ちょっと良い暮らし」とは、スーパーに買い物に行ったり、公共交通機関を使ったりする生活はこれまで通りに続けつつ、野菜や果樹を育てたり、動物を飼ったり、コンポストトイレ(※)を使ってみたりするというもの。
世間一般の暮らしから離れすぎないことで、多くの人に実践してもらえるのではないかと考えているそうです。

※コンポストトイレ 排せつ物を微生物の働きで分解・堆肥化するトイレ。

EdiblePark茅ヶ崎では農薬も化学肥料も使わずに野菜を育てていますが、一部ではプラスチックの農業資材を使っていますし、徒歩5分のコンビニに買い物に行くこともあります。肩肘張らずに実践できる「ちょっと良い暮らし」の一つの例といえるでしょう。

竹を切り出しているところ

EdiblePark茅ヶ崎で使う竹を自分たちで調達。竹林から切り出して、畑の水はけをよくするための管として使ったり、竹炭を作ったりします。(2021年5月撮影)

だいしろーさんからは、「僕も地主の家系なので、土地に縛られている、ここから出て行けないというプレッシャーを感じていた時期もありました。自分が地主であることの価値や意義について、どう考えていますか」と質問がありました。

光さんは、「以前は『働かずにお金をもらう』イメージのある地主という言葉があまり好きではなかったんです。でも最近では、地主という言葉はまさしく『土地』との関係を表していると思うようになりました。その土地と密接につながっている地主がいることで、社会に良い影響を与えられるのかもしれないと思っています」と語りました。

トークの締めとなった「100年先に届けたい『日本のこころ』とは?」というテーマに対して、光さんの回答は「めんどくさい、煩わしい、それでも・・・ともに生きる」でした。
コミュニティも自然環境も、良いことばかりではありません。うまくいかないこと、思い通りにならないこともあります。それを「めんどくさい、煩わしい」と感じたとしても、切り捨てるのではなく「ともに生きていきたい」と話す光さん。 オンラインでつながった参加者の方々も、画面越しに大きくうなずきながら拍手を送っていました。

おわりに

イベントに参加していたEdiblePark茅ヶ崎のメンバーが、素敵な感想を寄せてくださいました。

「地域のコミュニティ作りにおいて、光くんのようにビジョンがあり、かつ若い世代である地主さんの存在というのは本当に希望だと思いました。土地をつなげてきてくださったご先祖様も、そして土地も、きっと喜んでいらっしゃることでしょう。そして、EdibleParkってほんとにいいなぁと、いつものことながら幸せな気分になりました!」

畑で顔を合わせているときとは少し違う、光さんの地主としての一面に触れられたことは、EdiblePark茅ヶ崎のメンバーにとっても良い経験となりました。ありがとうございました。

GOKIGEN Nipponさんは、「100年先も、凛としてたくましく ゴキゲンな日本を。」というビジョンを掲げて活動しています。
具体的な活動内容は「地域交流と舞台創作を基軸とした人材育成プログラム」や、「日本各地の暮らしに触れる交流事業」など。聞いただけでワクワクしますね。

さらに「大地を食す」というテーマに沿って、7つのパートナー地域の特産品を扱う通販サイトも運営しています。
富山県南砺市利賀村の「クロモジ茶」、愛媛県宇和島市蒋淵の「海の調味料セット」など、ちょっと珍しくておしゃれな商品が勢揃い。ご興味のある方はぜひ、Webサイトをのぞいてみてください。

GOKIGEN Nipponさんのサイトはこちらから。
GOKIGEN Life


EdiblePark茅ヶ崎のことも気になるという方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
食と農を合言葉につながるコミュニティ「EdiblePark茅ヶ崎」の活動を紹介します!

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