神奈川県相模原市を拠点に、自然農法の野菜を仕入れて販売している「まる然」さん。実店舗は持たずに、神奈川県内各地でカフェの軒先など、日によって違う場所にお店を開いています。
今回は、相鉄線さがみ野駅前の「Cafe the Dip’s」さん店頭にて、代表の尾崎将太さん(以下、しょうたさん)、バイヤーの伊藤紗矢香さん(以下、さやさん)にお話を伺いました。
さやさん(左)としょうたさん(右)。いつもにこやかなお二人との会話も、買い物の楽しみの一つ。(2020年7月撮影)
自然農法の八百屋を始めた理由とは?
しょうたさん:
そもそものきっかけは2つあったんです。1つ目は「地球環境がおかしくなっているんじゃないか?」と感じたこと。2つ目は、働き方を変えたかったこと。
6年前、農業機械などを扱う会社で働いていたときに、毎日決められた時間で働くことに違和感を感じるようになりました。もっと自由な働き方をしたい、自分の仕事は自分で作りたいと思ったんです。思い立ったら行動!ということで、先行投資としてトラックを買いました。それが、今も商品を運ぶのに活躍している「白くま号」です。
3年くらい前から、神奈川県相模原市の田名というところで市民農園を始めました。でも最初は、自然農法のことはほとんど知らなかったんですよ。ちょうど同じ時期に市民農園を始めた方と仲良くなって、野菜のことをいろいろ話しているうちに「体にも良いし、地球にも優しい農法がある」と自然農法を教えてもらったんです。愛川町で自然農法をされている「わんぱく自然農園たむそん」さんのことも紹介してもらいました。
自分で畑をやったり、「わんぱく自然農園たむそん」さんに通ったりしているうちに「八百屋をやりたい」という気持ちが芽生えてきました。
もともと「白くま号」を使って何かやってみたいと思っていたし、商売に挑戦してみたいという気持ちもありましたね。
僕は自分でも野菜を作っていますが、プロ農家を目指しているわけではなく、自分の作った野菜は親しい人にあげようと思っています。
おいしい野菜を作っている生産者さんから仕入れて、たくさんの人に販売するのが自分の仕事です。だから、「この野菜はめちゃめちゃおいしいですよ!」と自信を持っておすすめできる野菜だけを扱うようにしています。
自然農法で育てられた野菜が、ずらりと並ぶ光景。珍しい野菜も、一つ一つていねいに説明してもらえます。(2020年7月撮影)
2020年5月、「その町のほんの小さな八百屋 まる然」が移動販売開始!
しょうたさん:
お店の名前を考えるとき、「自然」に関連する名前にしたかったので、「然」を入れました。「○」をつけるとロゴマークらしさが出て良いなと思って、「然」を丸で囲んだマークで「まる然」。
「その町のほんの小さな八百屋」というのは、行きつけの肉屋さんにいただいたアドバイスを元に、自分なりにアレンジしました。
さやさん:
私は「わんぱく自然農園たむそん」さんの援農で知り合って、「まる然」に参加することになりました。5月1日がオープンの日だったんですけど、その3日前くらいにいきなり連絡があって「オープンするから来て!」って(笑)
前から、あちこち旅をするお店をやってみたかったんです。野菜も、加工品も、良いものをもっとたくさんの人に紹介したいなと。だから、ちょうど自分のやりたいことがやれる!と思いましたね。
自然農法の野菜は、シンプルだけど野菜本来の味がしてすごくおいしいんです。ていねいに育てられているからです。
でも、自然農法以外のところでは、そういう風に育てられていない野菜の姿もたくさん見てきました。「お金のために育てられた野菜」は風味がないし、見ていて悲しくなってしまうこともありました。 そういう経験があったからこそ、今は本当においしい野菜をみんなに届けたいと思っています。
天気が良ければ「屋台スタイル」を見られるかもしれません。この屋台も一から手作りされたのだとか。細かいところも作り込んであります。(2020年6月撮影)
移動販売の八百屋から、さらにその先を見据えて
しょうたさん:
「まる然」のキャッチコピーには「みんなのまちへ」という言葉が入っています。実はこれ、まる然の第1章なんですよ。
まずは自然農法のおいしい野菜をみんなに知ってもらうために、移動販売の八百屋としてがむしゃらにがんばる。それが第1章です。
移動販売のスタイルが落ち着いてきたら、第2章として、また違うスタイルでやっていくと思います。何年後になるか、わかりませんけどね(笑)
100年後の子どもたちや、もっと未来の子孫にも良いものを伝えたいし、自然農法をつないでいきたい。それは僕たちだけでできることではないと思います。だから、第3章、第4章・・・と、「まる然」の考えを引き継いで活動したいという人が現れてくれたらすごく嬉しいんです。
地球環境とか、自然農法とか、人の健康とか。そういうことへの意識をみんなで高めていけるような活動を、これからも続けていきたいですね。
インタビューを終えて
自然農法や地球環境への熱い想いを語ってくださった、しょうたさんとさやさん。
お話を聞いていて、「こんなにおいしい野菜を、もっとみんなに食べてもらいたい」という気持ちがあるから、お二人ともいつもキラキラしているんだなと感じました。ご自分の仕事に誇りをもって、楽しんでいる様子が伝わってきます。
そんなお二人が自信を持って販売している野菜だから、安心して買うことができますね。コジマも毎週たくさん買って、わくわくしながら食べています。
想いのある人の手から手へと渡ってきた野菜を、買ってみませんか?
「まる然」さんが取り扱う商品は野菜だけでなく、お菓子、味噌、お茶、玉子なども。どれもおいしいものばかりです。(2020年6月撮影)
「まる然」さんで野菜を買いたい!という方は、出店情報をFacebookページでご確認の上、ぜひ訪れてみてください。
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自然農法の野菜が、どうやって育てられているのか気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
自然農法って何ですか?〜まる然さんとゆる深トーク vol.1〜
今回の取材にご協力いただいたお店はこちら。
【Cafe the Dip’sさんへのアクセス】
神奈川県海老名市東柏ケ谷2-30-10-102
相鉄線さがみ野駅南口から徒歩2分
15:00~23:00 日曜日定休
※喫煙OKのお店です。原則として20歳未満の方はイートインのご利用ができません。テイクアウトをご利用ください。
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