相模大野で農地の活用をめざす大家さん!「有限会社ミフミ」さん

相模大野で農地の活用をめざす大家さん!「有限会社ミフミ」さん

自然農法の野菜を移動販売している「その町のほんの小さな八百屋 まる然」さんは、神奈川県相模原市を拠点に、さまざまな場所でお店を開いています。
今回は小田急線相模大野駅から徒歩2分ほどのマンション「パークハイム渋谷」に出店すると聞き、どんなところなのか見に行ってきました。

そこで出会ったのが、パークハイム渋谷のオーナーである「有限会社ミフミ」の渋谷洋平さん・純平さんご兄弟。ご家族で会社を経営し、マンションや駐車場などの管理をしている「大家さん」です。
地域に貢献したいという想いだけでなく、家庭菜園や自然栽培への興味関心も、かなりのもの。そんなお二人に、食と農に対する想いについて聞いてみました。

パークハイム渋谷の外観

パークハイム渋谷の外観(左側のマンション)。駅のすぐ近くですが、表通りから一本入った静かな場所にあります。(2020年12月撮影)

「大家」であり「農家」であり「八百屋」も!

ーーまずは、まる然さんと出会ったきっかけを教えてください。

純平さん:2020年6月に、相模原市中央区の「眞田珈琲」さんでマルシェが開催されることを知って、おもしろそうだと思って出かけていきました。そこに出店していたのが、まる然さんです。僕は「小さな八百屋」をやってみたいと考えていたので、まる然さんのスタイルを見てすぐに、良いなと思ったんです。

ーー「小さな八百屋」をやりたいと思っていたのは、どうしてですか?

純平さん:親が生産緑地を所有しているので、ちゃんと畑として活用したいと思っています。祖父が亡くなってからは母が一人で野菜を育てていたんですが、僕もだんだん手伝うようになりました。
そうしたら、ときどき野菜がとれすぎて食べ切れないことがあるんです。それで野菜を直売できたらいいなと思って「小さな八百屋」の構想が生まれました。

ーーたしかに、野菜を余らせてしまうともったいないので、直売するのは良いですね。「食」や「農」に関するテーマには、前から興味があったんですか?

純平さん:そうですね。家族が環境に対する意識を持っていて、僕が小さい頃から、無農薬の野菜をなるべく料理に使ってくれていました。僕自身も、その頃からずっと、食と農に対する興味はあったと思います。だから、自分で畑をやることになったとき、農薬を使いたくないという考えは真っ先にありました。

ーー子どもの頃に教わったことや、食べたものの記憶は大人になっても残りますよね。ご自分の畑では、自然栽培をされているんですか?

純平さん:最初は知らなかったのですが、無農薬で野菜を育てる方法を調べていくうちに自然栽培を知り、取り入れたいと思うようになりました。
「自然農」や「自然栽培」といわれている農法の本は、たくさん出ています。僕はいろいろな本を読んで、それぞれのやり方を少しずつ取り入れるようにしています。

純平さんの蔵書の数々

純平さんの蔵書の数々。自然栽培の本を中心に、虫や土壌、ガーデニングなどのジャンルも揃っています。(2020年12月撮影)

ーーEdiblePark茅ヶ崎のスタンスと近いですね。やっぱり、その土地に合ったやり方があるでしょうし、自分であれこれ試してみないとわからないこともありますよね。

純平さん:そうなんです。自分にできることを実践していくという感じですね。

「住みたくなる地域」をめざして

ーー相模大野という地域について、どう思いますか?

純平さん:相模大野は都会的な部分もあって、緑もあるので、バランスがちょうど良いんじゃないかと思います。パークハイム渋谷も、すぐ裏が公園なんですよ。

ーー街中に緑があると、ほっとしますよね。大家さんとして、これからやってみたいことはありますか?

純平さん:これまでの都市部の畑は、わりとクローズドな環境で、所有者以外は関わりを持ちにくい場所でした。緑の空間を残していくためには、もう少し使い方を工夫して、地域全体の資源にしていく必要があると思います。緑地と街が両方あるからこそ、お互いの価値を高めていける。そんな「場の使い方」を考えていきたいですね。
この土地に生きてきて、土地に関わる仕事をさせてもらっている身としては、住んでいる方々に「暮らしていて楽しい」と思ってもらえるのが一番です。そういう地域にしたいと思っています。

洋平さん:僕も、「地域の役に立てるようなところを作りたい」と思っています。実はすでに、地域の方々に使ってもらうためのスペースを作る計画が進んでいるんですよ。必要な機材をレンタルして、自分たちも手を動かしてリノベーションしています。
地域で何か始めたい人をバックアップしたり、おもしろいプロジェクトがあればコラボできたりしたら嬉しいです。

ーーさらに楽しいことが起こりそうで、ワクワクしますね!
貴重なお話をありがとうございました。それでは最後に、お二人からまる然さんへのメッセージをお願いします。

純平さん:ファンです!応援しています。まる然さんみたいな方が増えていくと、街はもっとおもしろくなると思うんですよ。まる然さんの活動がどんどん広がっていくことを楽しみにしています。

洋平さん:僕もファンです!まる然さんの焼き芋は、甘くてホクホクして、とても美味しいんです。これからもまた、「パークハイム渋谷」に出店してもらいたいので、企画を続けていきたいですね。

つぼの中でじっくり焼き上げる焼き芋

まる然さんの焼き芋は、自然農法のサツマイモをつぼの中に入れ、遠火でじっくり焼き上げます。毎回すぐに売り切れるほど大好評!(2020年12月撮影)

インタビューを終えて

渋谷さんご兄弟と話していて感じたのは、相模大野という地域と、そこに住む方々の将来を見つめるあたたかい眼差しでした。誰よりも先に、大家さんがその場所を大好きでいてくださるというのは、とても大切で素敵なことだと思います。

「地域と関わって、もっと良くしていきたい」という想いのある大家さんの物件に、住んでみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
2021年が始まり、さらに発展を続けていく「有限会社ミフミ」さんと「まる然」さんに、今後も要注目です。


まる然さんの焼き芋

「まる然」さんの焼き芋が気になる!という方は、出店情報をFacebookページでご確認の上、ぜひ訪れてみてください。(※焼き芋を販売するかどうかは、事前にお問い合わせください)
「まる然」さんのFacebookページはこちら


【パークハイム渋谷へのアクセス】
神奈川県相模原市南区相模大野3-23-2
小田急線相模大野駅北口より徒歩2分

有限会社ミフミさんのサイトはこちら

渋谷さんご兄弟による、都市農地と遊休不動産の活用実験
「畑と倉庫と古い家」のサイトはこちら

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