野菜や花を育てるときに欠かせないのが「たね（種子）」。たねをみんなで分かち合う「Share Seeds」プロジェクトの活動に賛同して、固定種のたねをシェアできる「たねBOX」を置いてくださっているお店をご紹介します！
今回登場していただくのは、小田急線・JR東海道線藤沢駅から徒歩4分の場所にある「プラスチックフリー・量り売り」の専門店、「エコストア パパラギ」さん。プラスチックの問題だけではなく、食の安全性などについても強い関心を持たれていて、たねBOXの設置も快諾してくださいました。
「エコストア パパラギ」さんでの「たねの活動」は、どのように広がっているのでしょうか。店長の武本さんに伺ったお話も合わせてご紹介します。
青い看板が印象的な、エコストア パパラギさんの外観。藤沢駅のすぐ近くですが、大通りから一本離れた静かな場所にあります。（2019年9月撮影）
プラスチックフリー専門店とは？
「エコストア パパラギ」さんは、「プラスチックゴミで埋め尽くされていく海を救いたい」というプロダイバーの想いからスタートしたお店です。
店内にはプラスチックを使わない雑貨（エコラップ、植物性原料で作られたスポンジ、ステンレスストローなど）がずらりと並んでいます。オーガニックのナッツやドライフルーツ、ハーブティーなどは容器を持参して欲しい量だけを購入できるので、包装のゴミが出ません。
オーガニックのナッツや穀物の量り売り。最初は装置を操作したり、重さを自分で量ったりすることにドキドキしますが、慣れれば簡単です。（2020年9月撮影）
「プラスチックを使わない生活」と聞くと、それってすごく不便なんじゃないの？と思われるかもしれません。でも、エコストアパパラギさんのお店をのぞいてみると、プラスチックフリーはおしゃれで楽しいんだ！と気が付くと思います。生活の中から全てのプラスチックを取り除くのはなかなか難しいかもしれませんが、できるところから少しずつ始めていこうというきっかけをもらえるお店です。
さらにエコストアパパラギさんでは、45年間にわたって無農薬・無化学肥料で野菜栽培を行ってきた千葉県房総市（旧・三芳村）の野菜や米を販売するなど、「食と農」に関する活動にも力を入れています。
無農薬・無化学肥料の野菜もプラスチックの袋に入れるのではなく、そのままの姿で販売されています。買うときにお願いすれば新聞紙に包んでもらうこともできます。（2020年9月撮影）
エコストア パパラギさんの「たねBOX」を見てみよう！
Share Seedsの「たねBOX」は、作り方に決まりはありません。エコストアパパラギさんに置いてもらっているものは、コジマが自作しました。お店のコンセプトに合わせて、BOXも中身も、プラスチックを極力使わないようにしています。たねを入れるビンは友人から譲っていただきました。
自分で採種したものだけではなく、あちこちからいただいてきた「たね」をシェアしています。たくさんの方のおかげで、「たねBOX」は成り立っています。
※箱の作り方に決まりはありませんが、シェアできるたねにはルールがあります。詳しくはShare Seedsのサイトでご確認をお願いします。
エコストアパパラギさんに置いていただいている「たねBOX」。黒いダンボール箱が目印です。（2020年9月撮影）
Share Seedsの特徴は、たねだけでなく「ありがとう」という気持ちもつないでいけることです。そのための取り組みの一つが「Thank you ノート」。たねBOXの中にノートを置いて、たねを受け取るときに感謝の言葉を書いてもらうというものです。
もちろん、記入するかどうかは自由ですし、お名前は書かなくても問題ありません。
これまでにエコストアパパラギさんの「Thank you ノート」にいただいたコメントから、抜粋してご紹介します。
「前回いただいた小松菜のタネが、とてもかわいく発芽して嬉しく思ってます。毎日成長を見るのがステイホームの楽しみになってます」
「息子と一緒に成長を見守って楽しみたいと思います！！ありがとうございました」
「今年から無農薬畑をはじめました。Share Seeds、とても素敵な取り組みですね。いくつか種をいただいたので、今度は自分でとった種を持って来たいです。ありがとうございます！」
こうしたコメントを拝見していると、たねBOXを作って良かったと思えて、本当に嬉しいです。ノートを通じた交流に加えて、お店で直接話しかけてくださった方もいらっしゃいます。時には、お店の方から「たねをもらっていったお客様が喜んでいましたよ」と教えてもらえることも。
小さな「たねBOX」から交流の輪が広がり、「感謝」の気持ちも人から人へと受け継がれていきます。エコストアパパラギさんのご協力のおかげで、その喜びを強く実感することができました。
エコストア パパラギさんの「Share Seeds」への想い
いつも積極的に協力してくださる店長の武本さんに、Share Seedsについてのお話を伺いました。
ーーShare Seedsの活動について、どう思われますか？
武本さん：とても大事なことだと思います。たねを守ることは、命をつなぐことですからね。お店に来てくださるお客様にも、それを体験してもらえたらと考えています。
ーーエコストアパパラギさんでは、オーガニック種子の販売もされていますよね。販売する「たね」と、無料でシェアできる「たね」を両方ともお店に置くことについて、迷いはありませんでしたか？
武本さん：「たね」を買うか、たねBOXから受け取るかはお客様自身が決めることなので、店としてはいろいろな選択肢があっていいと思っています。実際に、販売している「たね」の売れ行きも好調ですよ。
ーー「たね」に興味を持ってくださるお客さんが多いんですね。たねBOXから「たね」を持ち帰って育ててくださる方も、かなり多いと感じています。
武本さん：そうですね。「プラスチックフリー」というキーワードに引かれて来てくださるお客様は、いろいろなところに広く関心を持たれているのだと思います。
ーーありがとうございました。これからも、たねBOXをよろしくお願いします！
エコストアパパラギさんで取り扱っている、「Organic Disco」というブランドの有機種子。外国の雑貨屋に並んでいそうな、おしゃれなデザインのパッケージが目を引きます。（2020年9月撮影）
おわりに
一度訪れると、何度でも買い物に行きたくなるエコストアパパラギさん。アットホームな雰囲気で、お店の方とのおしゃべりについつい夢中になってしまうこともあります。品揃えはときどき入れ替わるので、今日はどんなアイテムに出会えるかな？と考えるだけでもワクワクしますよ。
お店に行かれた際には「たねBOX」も見ていただけると嬉しいです！
店内では環境問題についてのセミナーも開催されていて、コジマも参加したことがあります。とてもわかりやすく、興味深い内容だと感じました。ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
※セミナーの開催日程や申し込み方法などは、エコストアパパラギさんのサイトでご確認をお願いします。
エコストア パパラギさんのサイトはこちらから
【エコストア パパラギさんへのアクセス】
神奈川県藤沢市鵠沼石上1-3-6
JR東海道線、小田急線藤沢駅南口から徒歩4分
10:00〜17:00 水曜日定休
通信販売もされていますので、遠方にお住まいの方もプラスチックフリー製品を購入できます。
エコストア パパラギさんのオンラインショップはこちらから
【Share Seedsの活動について】
・「ありがとう」で広がる固定種の交換会！「Share Seeds」をやってみた
・Share Seedsのサイトはこちらから
