足尾の歴史に思いを馳せながら「舟石芋」をいただく

足尾の歴史に思いを馳せながら「舟石芋」をいただく

いつもお世話になっている自然栽培青果の八百屋「ナチュラルフード森の扉」さん主催のサマーキャンプに参加してきました。
森の扉さんでは、その地域で昔から作られてきた在来種を守る活動として、年に数回、種まきや収穫等のイベントを開催しています。
今回は栃木県日光市(旧足尾町)で、在来種のじゃがいも「舟石芋」の収穫とバーベキューを行いました。

舟石芋とは?

舟石芋は、備前楯山の登山口でもある「舟石峠」を中心とした地域で栽培されていたじゃがいもです。かつては47戸の家があったという舟石峠ですが、銅山の衰退とともに人口が減り、現在では住む人はいなくなってしまいました。


舟石峠からの眺め。向こうに見える山の一部は、足尾銅山の煙害から回復しきっていないとのことで、木が生えていません。

今回は、「唐風呂大根」の収穫イベントでもお世話になった唐風呂地区の農家さんの畑で、舟石芋を収穫しました。

こちらが掘りたての舟石芋です!俵型をしているのが特徴。
途絶えてしまいそうになっていた種を再び栽培して、未来へつなげていく活動に参加できるのはとても誇らしいですね。

唐風呂大根の種まき

もう1つ、足尾の特徴的な在来種である「唐風呂大根」。この地区で育てないと赤くならないという珍しい大根です。
去年11月のイベントで収穫した唐風呂大根からとった種を、今回のイベントで畑にまきました。
突発的な豪雨や台風の多い今年ですが、どうか大きく育って、この先へとつながってくれることを願います。

豪華!野菜バーベキュー

その後は銀山平キャンプ場へと移動して、夕食を楽しみました。
とれたての舟石芋をふかしたり、フライドポテトにしたり。
通常、じゃがいもは収穫してからしばらく熟成させたほうがおいしいのですが、舟石芋はその日に食べてもすごくおいしかったです。
舌触りがきめ細かく、しっとりなめらかで、パサパサした感じがありません。子どもから大人までみんなが夢中になって食べました。


左側が舟石芋。右のお皿に乗っているのは、同じ畑で育てられた「さやあかね」というじゃがいも。
どちらもおいしいのですが、やっぱり舟石芋は大人気でした。

日光市で自然栽培を行っている若手農家さんも参加してくださり、自然栽培のおいしい野菜を使ったバーベキューが行われました。
デザートには自然栽培のブルーベリー。とても贅沢な夜でした。
参加者のみなさんも、食や農に関心の高い方々で、話が尽きずに盛り上がりました!

おわりに


豊かな森と、澄んだ川のある足尾。公害問題があったことを忘れてしまうほど、美しい景色でした。
それでもやっぱり、銅山の遺構があちこちに残っています。山の中の石組みや坑道跡、空き家になって朽ちかけている建物など。
そこから目を背けるのではなく、かつてここに暮らした人たちがいて、一生懸命に育てていた作物があったことをしっかり記憶し、受け継いでいくべきだと思いました。
舟石芋も唐風呂大根も、末長く続いていってほしいと思います。

最後になりましたが、イベントを企画運営してくださったナチュラルフード森の扉さん、舟石芋を育ててくださった唐風呂地区のみなさま、今回のイベントでお会いしたみなさま、本当にありがとうございました。

足尾の在来種に興味を持たれた方は、ナチュラルフード森の扉さんのブログをぜひご覧になってみてください。
唐風呂大根&船石芋(旧足尾町在来種)※ナチュラルフード森の扉さんのブログに飛びます

唐風呂大根の収穫イベントのレポートはこちらをご覧ください。

 

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